重度訪問介護サービスを利用した重度障害者の支援を担っています
障害者介護分野は、高齢者介護同様、多岐にわたっています。なかでも私たちは、2013年に制定された「重度訪問介護」という福祉サービスをよりどころとした支援事業を展開しています。
「重度訪問介護」は、疾病や怪我などによる障害を原因として「お一人で生活することが困難」な方に対して支給される福祉サービスとなります。
ほとんどの場合、在宅での支援が中心となります。そして重度訪問介護の大きな特徴としてあげられることは「長時間の支援が可能」ということです。なかには、24時間・365日の支援を受けておられる方もいらっしゃいます。
在宅における同様のサービスとしては「居宅介護」というものがありますが、こちらは「食事介助」「入浴介助」「起床・就寝介助」といった「作業」をもとにしたサービスです。そのため、長時間ではなく、数時間で完結するサービスとなります。
一方「重度訪問介護」は「見守り」という「支援メニュー」が中心となります。また、喀痰吸引などの「医療的支援」も、私たちの大切なメニューのひとつとなります。
「見守り」という概念を、少し説明します。たとえば利用者が就寝した後は、定期的な喀痰吸引などを必要とされる方を別にすれば、私たちには、特段大きな「作業」はありません。しかし、利用者の急変は、いつなんどき起こるのかはわかりません。そのため「利用者が眠りについたのだから、ちょっと近くのコンビニに行ってこよう」といったことは、絶対に許されないことなのです。「支援者のちょっとした外出」の間に重篤な発作が起き、適切な対処、あるいは救急隊につなぐことができなかったとすれば、利用者に大きな不利益となります。それでは、重度訪問介護サービスを利用される方々に対して、私たちが「見守る」意味がなくなるのです。
大きな体調変化もなく、穏やかに過ごされている時は、利用者のQOLを高めるために「生活支援」「コミュニケーション支援」を軸にサービスを提供しています。そのことで利用者の「よりよく生きる、活きる」を支えることが中心となります。
支援時間の長さばかりではなく、利用者の一生涯を支える長期プロジェクトとなることもまた、大きな特徴のひとつと言えるでしょう。